連続殺人事件の被害者になる確率

 

米LifehackerのNever Fearシリーズ。

世の中には恐ろしいことがたくさんありますが、恐れる必要のないことを恐れて貴重な時間とエネルギーを無駄にしていることもよくあります。

このシリーズで多少なりとも知識を得て、不必要な恐怖を捨てましょう。

 

現代社会で、連続殺人犯ほど恐ろしい存在はありません。

彼らは無慈悲な殺人者で、あなたのすぐ後ろにいるかもしれません。

でも、ご心配なく。

連続殺人犯は実在しており、とても危険ではありますが、あなたが遭遇する可能性はほとんどありません。

 

連続殺人犯とは

連続殺人犯は、映画やテレビ番組で描かれているように、似たようなタイプの犠牲者を同じ手口で何人も殺害する点が特徴ですが、もっと具体的な定義によりその他の殺人犯と区別されます。

FBIの行動分析班によると、連続殺人犯とは少なくとも3人以上を殺害した犯人のことを指します。

さらに重要な点は、殺人が1回ごとにばらばらのタイミングで発生することです。

そのため、連続殺人犯は、犯行と犯行の合間に感情が冷静になる期間があります。この点が大量殺人犯、暴動殺人犯、ヒットマンのような雇われ殺人犯とは大きく異なります。

 

なぜ恐れる必要がないのか

連続殺人犯の最も恐ろしい点は、一般人の中に紛れていることです。

彼らは、殺人自体を楽しむ目的で、単純に見ず知らずの人を標的にしているようです。

明確な動機がないので、誰もが危険にさらされているような気分にさせられます。

さらに、殺人担当刑事兼検視官から犯罪作家に転身したGarry Rodgers氏が説明しているように、連行殺人犯は、障がい者でもなければ、各地を転々と渡り歩く一匹狼でもありません。一見普通の生活をしている普通の人なのです。

シアトルのグリーン・リバー・キラーと呼ばれるGary Ridgwayは、既婚者で、何年も同じ家に住み、自動車塗装工の定職に就いていました。BTK絞殺鬼のDennis Raderも、妻帯者で教会の指導者を務め、カンザス州ウィチタにある自宅から遠ざかることはありませんでした。

 

優しい隣人、スーパーの店員、聖書研究のリーダー、誰もが連続殺人犯である可能性があり、どこにでもいるような感じがします。

誰も実際の姿を見たことがない雪男や魔女のような言い伝えの怪物が、じっと獲物が通りかかるのを待っているかのように思われがちです。

 

しかし、そのタイプの神話は自発的には発生しません。

ドリュー大学の犯罪学の教授であるScott Bonn博士は、『Why We Love Serial Killers』という本で、問題は、「道徳的パニック」という社会学の概念だと説明しています。

かみ砕いて言うと、

「一般市民が恐怖を感じ、その犯罪が社会にもたらした客観的脅威に国家が過剰に干渉している状況」

のことだと述べています。

 

基本的には、一般市民、マスメディア、警察などの法務執行機関が事態を実際よりもはるかに凶悪な感じにしているのです。町で殺人犯を1人野放しにすると、その町の住民全員が危険にさらされるような気がします。

それに加えて、メディアがやたらと「残酷な物語」として事件の衝撃的な部分を報道するので、人々は道徳的な怒りをかきたてられたり、犯罪防止に必死になったりするのです。そんなふうにドラマチックに捻じ曲げられた形で犯罪を事細かく報道されると、連続殺人犯を怖がらずにはいられなくなります。

 

一般的に連続殺人犯を怖がる理由がないのはなぜか

さて、これで、連続殺人犯に恐怖を感じる理由がわかりました。

では、なぜ全然怖がる必要がないのでしょうか。

1つには、連続殺人事件の発生頻度は思っているよりはるかに低いからです。

Bronn博士によると、アメリカでは、連続殺人の発生件数は現実よりはるかに多いと思われています。

アメリカの世論調査で、一般市民は連続殺人は国内で発生するすべての殺人事件の約25%を占めていると思い込んでいることがわかりました。現実には、せいぜい1%ぐらいです。

 

アメリカでは毎年約15000件の殺人事件があり、連続殺人事件は年間平均150件未満であることになります。

Bronn氏によると、FBIは、全米で25~50人の連続殺人犯が随時犯行を犯していると推定しているようです。

連続殺人犯はそんなにたくさんはいないのです。実は、Rodgers氏が指摘しているように、非常に稀なのです。

連続殺人事件とされるのは、全殺人事件の0.01%未満です。国連薬物犯罪局(UNODC)の2013年調査では、北米の殺人率は人口100000人当たり3.9人であるため、全米の人口4億6千4百万人で換算すると、連続殺人事件の被害者になる確率は0.00039%です。

Rodgers氏は、北米全土で現在活動中の連続殺人犯は約300人と多めに見積もっていますが、それでも全人口の約0.00064%にしかなりません。

そう、宝くじに当たる確率のほうが、まだ、高いと言えるのです。

 

でも、ちょっと待って。

天才的な頭脳を持つ殺人鬼が町に潜んでいて犯行を繰り返したらと思うと、やっぱり怖いですよね。

映画やテレビでは、連続殺人犯は頭脳明晰な異常者で、なかなか捕まりません。

でも、実際には全然違います。Bonn博士は、ポップカルチャーが「天才連続殺人鬼」の神話を育んだとしています。

天才連続殺人鬼のイメージは、主にハリウッドが作り出したものです。一般的に、実際の連続殺人犯は、特別な知的スキルは持ち合わせておらず、IQテストの点数は正常値のボーダーラインと平均よりちょっと上ぐらいの範囲にあることがほとんどです。知能指数の分布範囲は、一般人をテストしたときと同じです。

Bonn博士は、連続殺人を成功させるのは知性ではなく、強迫観念、綿密な計画、精神病的な人格であると説明しています。

ですから、連続殺人犯は普通の人より頭がいいわけではなく、普通の人が「異常」と思う方法で行う殺人行為にはまっているだけです。

たとえ映画や小説では難なく犯行を繰り返していても、連続殺人の件数は減少していることから、連続殺人犯の人数も減少傾向にあるはずだとRodgers氏は言います。

これは、DNA分析、行動プロファイリング、その他の技術的および心理的検出方法が発達してきたおかげで、犯行が難しくなっているせいでしょう。

 

連続殺人の被害に遭わないためにできること

そうは言っても連続殺人犯は存在します。

でも、Rodgers氏によれば、被害に遭わないようにするのは簡単です。

犠牲者は、非常に特定のカテゴリーや行動に当てはまる人たちです。連続殺人犯は、手軽で、弱くて、処分が楽な人を狙います。

それは通常、若い男女で、風俗業従事者、薬物乱用者、放浪者、独り旅の自由人のようなリスクの高いライフスタイルの人たちです。それに当てはまらないようにしていれば、少なくとも連続殺人犯からは身を守れるでしょう。

さらに、Bonn氏によると、FBIのデータは、1985年から2010年の間に起きた連続殺人事件の被害者の約半数は20代から30代であったことを示しています。

年齢が高くなるほど被害に遭う可能性は低くなるようです。

年を取るといいこともありますね。

 

総合して考えると、連続殺人犯に殺される確率は、極めて低いことになります。ですから、被害に遭うことが心配でたまらない人は、そのエネルギーをもっと有効に使ってください。

 

被害者になられてしまった方はとっても運の悪い方達だったんですね。

 

 



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