政治家たちの何とも不透明で呆れ返る金遣い

 

ブラックボックスだらけ?の地方議員

ドイツ・ミュンヘン。

ここに香川県議会の県議たちが到着した。目的は海外視察。

しかし到着早々ビールで乾杯。翌日も90分ほど地熱発電所を見学した以外は城を見たり歴史あるビアホールでビールを飲んだり観光名所の機械時計を見たりと観光三昧。

スイスに移動すれば世界遺産を訪れ、アルプスでマッターホルンを眺めたり、と9日間の日程で視察らしきものは4時間程度という首をかしげたくなる内容だった。

 

“海外視察”する香川県議たち

 

フジテレビ『実録!金の事件簿』取材班は彼らの行動を“勝手に”取材。ひたすら追跡し映像に収めた。

しかし彼らは直撃に「山には行っていない」と抗弁したり、行ってもいないBMWのイベントに行ったと答えた(その後訂正したが)。

書面での回答では「スイスの視察は香川の四国巡礼、お遍路の観光産業の参考になる」とまで書いてきた。

彼らの旅費は無論すべて「税金」から出ている。

その税金で行われていたのがこの海外視察だったのだ。

 

7月の放送後、視察費用の返還訴訟が起こされたり、自民党県議たちが海外視察を一切自粛したりなどの動きが出ているが、実態がわからなければ今でも平気であのようなことは行われていたのかもしれない。

もちろん、しっかりと視察を行い、行政に生かしている政治家も多くいるだろう。

しかしこうした政治家たちがいるのも事実だ。特にこうした海外視察は市民の見えないところで行われている、まさにブラックボックス状態ではないのか。

 

総務省が先般、平成28年分の政治資金収支報告書を公表した。政治家や政治団体の活動にまつわる収入や支出を詳しく記載したもので政治資金規正法に基づき作成され、誰でも政治とカネのチェックができるよう、総務省や各都道府県の選管から公開されているものだ。

ただ、その金の使い方には制限はなく、政治資金パーティも20万円以下なら支払った人間の氏名も記載する必要がない。

仮に1億円をパーティで集めても19万9999円支払った参加者が500人ほどいた、といえば済むだけのいわば抜け穴だらけ、“ザル法”とも呼ばれている。

 

それでも国会議員の場合は「登録政治資金監査人制度」がある。

国会議員に関係する政治団体が、政治資金の収支報告書を提出する際に、あらかじめ研修を受けた税理士や弁護士、公認会計士を登録政治資金監査人として政治資金の監査を義務付けている。

 

キャバクラの領収書でもスルー?

とはいってもこの監査人制度では、監査の際に領収書の金額と収支計算書の金額が一致していれば使途の言及はしないという運用になっている。

キャバクラや風俗の領収書でも金額さえ一致していればスルーということになる。

 

地方議員にはこの監査人制度がない。

国会議員関係の監査自体、ザル制度と言われているにもかかわらず、地方議員にはこの制度すらないのだ。市民オンブズマンやマスコミの情報公開請求により、一部の不正事案が発覚しているのが現状だ。

 

12月8日(金)放送の『金曜プレミアム・実録!金の事件簿3~こんな奴らは許さない~』(フジテレビ系)で取り上げる富山県・高岡市議の「不正受給」の顛末はあきれるものだった。


辞職会見をする高岡市議たち(当時)

 

行ってもない視察旅行を「行った」として領収書を仲間の議員に偽造させて政務活動費を不正受給していたのだ。

旅行会社が領収書を作成していないことを暴露したことから事実が露呈し、市議らが記者たちに追及されてようやく事実を認めた格好となったがこのようなことはどこかで行われているのだろう。

今回、取材班はとある地方議員の政務活動費を調査した。

その政治家は親族が代表を務める「たった1つのある団体」に「たった1枚の数百万円という領収書」を出させることで数百万もの政務活動費を手にしている。

 

しかしその団体は任意団体であるため内部でどのような金の使い方をしているかは客観的にはわからない。しかも、この団体はあくまで“第三者”であるため提出されている領収書はその地域の条例では合法となる。

議会は金額とフォーマットさえ整っていれば問題なしとする。この団体を使えばまさに政務活動費は何に使ってもわからない、というのが実情だろう。

 

しかも任意団体のため情報開示の義務もない。

まさにブラックボックスだが、ここをこじ開けるのは至難の業だ。番組ではこの議会を継続取材しているが、このブラックボックスをこじ開けなければ政治家たちの金遣い、税金の使い方は決して透明なものにならないだろう。

 

そんな税金を徴収している税務署員の必死な現場を政治家たちは知っているのだろうか。

「それでは国税徴収法第142条に基づいてただいまから捜索を開始させていただきます。」

 

朝8時、関東某所の住宅街。とある家の玄関で市役所の職員たちが宣言する。

その直後、職員たちが堰を切ったように家の中へと入っていく。部屋の隅々まで“財産”がないか捜索し、あれば容赦なく差し押さえていく。それをただ茫然と見つめる家族。

きちんとした収入がありながら多額の税金を滞納し、再三の催促にもかかわらず放置し続けた結果だ。

 

●国税徴収法第142条:徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる 

言うまでもなく、税金を納めることは国民の義務だ。

どうも納得がいかない、不公平だ、無駄遣いしているじゃないか、と思うような方もいるかもしれないが、それでもしっかり納税されるからこそ行政は稼働し、サービスは機能する。

その義務を怠り続け、逃げ回っているとこうした強制捜索が行われる。

 

捜索といえば通常、警察官はもとより、地検特捜部のように裁判所の許可が必要だが、税務職員には必要ない。驚くことに、家に誰もいなくても警察官や役所の人間を立会人に立てれば勝手に中に入って捜索できる。

帰ってきたら家に役所の人間がいて家の中を捜索しているのだからたいていの滞納者は戸惑い、そして怒る。

 

無理もない事だとは思うが、その状況を作り出したのは何度督促しても応じず、役所の呼びかけを無視し続けたその滞納者本人なのだが。

こうして今日も日本のどこかで捜索が行われている。そして、その捜索にはいつもすさまじいドラマがつきまとう。

 

税務職員はつらいよ

おとなしく捜索を受けてくれるなら仕事も楽なのだがそうはいかないのがこの捜索だ。

現場は常に”修羅場“と化す。

もともと払いたくない、できれば逃げ切りたいと思っている人も多いので「そんなもの払えるか!」と暴れ回り職員に食って掛かるもの。

包丁を振り回し、揚げ句の果てには手首を切ろうとするもの、服を脱いで下着姿になる女性、職員を「孫の代まで祟る」と呪いの言葉をかけるものまでいる。

滞納しておきながら再三の催促にも応じず呆れた態度だが向き合う職員たちの苦労は計り知れない。

根気よくなだめ、諭し、説明し、必要とあれば分割納付の相談にも乗る。

初めから催促に応じ、役所に来てくれればこんなことにはならないのに…こんなつらい現場はない、そうボヤく職員もいる。

 

捜索する側も「こんなことはしたくない」のが本音なのだ。

それでも彼らは責務を果たすべく滞納者たちと向き合う。中には捜索に入ったことで生活困窮状態が発覚し、救済するケースもある。

まさに市民のライフラインの役目も担っているのが税務職員なのかもしれない。確かにはたから見ればそのやりとり、攻防が激しく、面白くもある。

 

その一方で税務職員たちの苦労は計り知れないものがある。

現場の税務職員たちの働きを少しでも知れば政治家の皆さんもいい加減な税金の使い方はできないはずだ。

 

 

 



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