清宮幸太郎が抱える「3つの問題」清原超えは可能か?

 

遂に早稲田実業の清宮幸太郎(18)は、日本ハムの清宮幸太郎となる。

野球ファンの関心は

「清宮、開幕1軍はあるか?」

「清原和博(50)が持つ高卒ルーキーの記録を抜く可能性はあるのか?」

に移っている。

 

目指す“頂点”は清原と榎本

桑田・清原のKKコンビではなく、清宮・清原のKK対決というわけだ。

プロ野球史上、高卒ルーキーの打者として傑出した新人記録を残したのは清原と、毎日オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)でプロデビューした榎本喜八(1936~2012)の2人だろう。

 

ちなみに榎本は早実出身、清宮の先輩にあたる。

では2人の驚くべき成績を見て頂こう。清原は86年、榎本は55年の記録。

清宮が立ち向かうべき“ライバル”だ。

▽出場試合
清原 126 【高卒3位】
榎本 139 【高卒1位】

▽打率
清原 .304 【高卒1位】
榎本 .298 【高卒2位】

▽安打数
清原 123 【高卒3位】(※旧制中を含む)
榎本 146 【高卒1位】

▽二塁打
清原 18 【ベスト30圏外】
榎本 24 【高卒2位】(※旧制中を含む)

▽三塁打
清原 1 【ベスト30圏外】
榎本 7 【高卒1位】(※正確には高卒1位タイ)

▽本塁打
清原 31 【高卒1位】(※大卒や社会人経験者など含む全新人で1位)
榎本 16 【高卒3位】

▽打点
清原 78 【高卒1位】
榎本 67 【高卒2位】

▽四死球
清原 60 【高卒2位】(※全新人で4位)
榎本 97 【高卒1位】(※全新人で1位)

 

改めて唖然とさせられる数字だが、これを超えることが清宮に期待されているわけだ。

そのためには当然、来シーズンのできるだけ早い時期からスタメンに定着する必要がある。

来季の清宮は開幕1軍で迎えられるか、野球解説者の張本勲氏に訊いた。

 

「非常に優れた資質を持つスラッガー」

ちなみに張本氏も59年、高卒ルーキーとして1年目からスタメン入りを果たした。

125試合に出場し、打率.275、115安打、13本塁打、5三塁打、57打点を記録。

清原、榎本、そして張本氏の3人は全員、新人王を獲得している。

 

「改めて清宮くんが、非常に優れた資質を持つスラッガーであることは間違いありません。何十年に1度、というレベルですよ。また日ハムに入るのもよかったと思います。栗山英樹監督が新人育成で立派な実績を残していることは、野球ファンなら誰でも知っているでしょう。また育成に失敗した新人でも簡単には放出しない温情もあります。おまけにパリーグはDH制です。

FA権を取得した中田翔(28)の残留説が報じられていますが、実際にそうなればファーストを引き続き守り、清宮くんをDHにすることもできます。清宮くんには理想的な環境だと言っていいでしょう」

 

焦点は、やはり来年のキャンプとオープン戦ということになりそうだ。

張本氏は「キャンプは1軍でスタートさせるべき」と主張する。

 

「2軍のほうが、練習量は多いイメージがあるかもしれません。しかし実際のところは、1軍は練習の質も高いですし、量も多いんです。チームのトップクラスが集まっているわけですから当然ですよ。

先輩の圧倒的な実力を目の当たりにしながら、清宮くんは揉まれるべきだと思います。そして最初は大変ですよ。1軍の投手が投げる球というのは、レベルが桁違いですからね」

 

バットの握りとスタンス

プロの球が当たらないことは、我々素人でも簡単に想像がつく。

だが、バットに当たれば何とかなるのではないかと思うのだが、それは全く違うという。

プロの球は当てるだけだと絶対に凡打で終わってしまうという。

 

「それだけ球威が凄いんです。バッターが正確なスイングを行っても、球に負ければ凡打で終わります。プロのバッターは正確で、更に力強いスイングが必須です。球に負けない力で跳ね返すんです。

清宮くんがそういうスイングをできるようになれば、木製バットに慣れていないという問題は関係なくなるでしょう。本当の懸念は、清宮くんが、そういうバッティングをできるかどうかです」

 

張本氏によると、現時点でも清宮には3つの問題点があるという。

「1つはバットの握りに遊びがある印象を持っています。確かにプロ打者の中には、グリップを遊ばせている者もいます。しかし彼らも新人時代は小指一本もおろそかにせず、全ての指に力を入れてプロの球に立ち向かったんです。

プロとしてバッティングの技術を磨いた後に遊ばせるならOKですが、新人の清宮くんは、まず基本に立ち返って遊ばせず、しっかりとバットを握るべきでしょう」

 

2つ目は、バッターボックスに立った時のスタンスで、右足と左足の幅が広すぎるという懸念だ。

「特に左打ちは、打席に立った時のスタンスが広い打者はいない、と断言していいぐらいです。野球の教科書には『肩幅より少し広く』とありますが、左の大打者は肩幅ぐらいの選手もたくさんいます。肩幅より少しだけ狭いフォームも珍しくはありません」

 

左のスラッガーと言えば、誰を思い浮かべられるだろうか。

今年の日本シリーズなら、筒香嘉智と柳田悠岐が左。

往年の名選手なら松井秀喜、掛布雅之、そして王貞治といった名が浮かぶ。

“安打製造機”部門なら、張本氏も、榎本も、そしてイチローも左バッターだ。

それぞれのスタンスをチェックしてみるのも一興だろう。

 

3番清宮、4番中田の実現性

そして最後の3つ目は、右足の位置だ。

「バッティングの連続写真も見ました。微妙なレベルかもしれませんが、打った時の右足の向きが少し違う気がしたのが3つ目です。もし、私の指摘した3点が現実の問題点だったとして、修正するにはコーチがつきっきりになったとしても、最低で1カ月はかかります。大仕事と言っていいですよ」

聞けば聞くほど、プロ野球の厳しさが骨身に染みるが、その上で清宮が挑戦すべきは、やはり榎本ではなく清原だと張本氏は指摘する。

 

「私も安打製造機と呼ばれましたが、榎本さんも同じように呼ばれていましたし、私よりも相応しかったと思います。榎本さんは短・中距離砲の専門家。今のイチローと同じタイプでした。私の場合はホームランも求められましたから、中距離砲を中心に短長両方という感じでした。

そして清宮くんに求められているのは長距離砲です。スラッガーとしての華です。当然、狙うべきは清原くんの記録更新になるわけです」

 

張本氏は

「清原くんは本当に1年目が最も素晴らしかった。後は年を追うごとに駄目になっていった」と嘆く。

圧倒的な素質を持つ選手でも、それを維持するのは大変だ。

 

「今年は中田翔くんでしょう。あれだけの素質を持ち、努力を重ねていても、フォームが狂ってしまった。だから成績が悪い。今度会ったら『喝』と言おうと思っているんだけど(笑)残留になれば、3番清宮、4番中田、5番レアードという打線が期待できます。

これは日ハムファンにとどまらず、野球ファン全体が喜ぶ打順でしょうね」

 

来年と聞けば先という印象だが、2018年のキャンプは2月にスタートする。

僅か3カ月後の話だ。

それが終われば3月末に開幕を迎える。

清宮の真価が最初に問われるのは、むしろ秒読み段階と言っていい。

 

まさにこれからがスタートですね。

 

 

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