妻のために毎日看板を下げて歩いた74歳(米)

 

この夏に腎臓移植手術を受けて笑顔を取り戻したセレーナ・ゴメス。

移植後にドナーとなった親友のことを「究極の犠牲を払い、究極の贈り物をくれた人」と絶賛し、「私はものすごく恵まれている」と明かしていた。

スーパースターの告白で一躍注目を浴びた腎臓移植だが、ドナーを探すのは決して容易ではない。

米ユタ州ファー・ウェストで先月中旬ごろから、帽子にスーツという正装で2枚のメッセージボードを身体の前後にかけ、車の通りの激しい道を歩く“サンドウィッチマン”が多くの人に目撃され話題となった。

男性はウェイン・ウィンターズさん(74歳)で、ボードには赤い文字で大きくこう書かれていた。

「Need Kidney 4 Wife(妻のために腎臓が必要です)・Aマイナス(妻の血液型)・675-0278(電話番号)」

ウェインさんの姿は米メディア『Fox 13 News』に取り上げられ全米が知るところとなったが、結婚して26年になる妻ディアンさんの容態は深刻で一日も早い腎臓移植が必要だった。

ディアンさんは腎臓がほとんど機能しない末期の腎不全(ステージ5)で、血液透析を受けているが腎臓移植を待ってすでに2年が過ぎていた。

愛するディアンさんが日に日に弱っていくのを見て「何とかしてあげたい」と悩んでいた時、ウェインさんはインターネットである男性がサンドウィッチマンになり臓器ドナーを探しあてたというニュースを目にした。

「これならできると思ってね。すぐに行動を起こしたよ」と語るウェインさん。

70歳を超え、毎日数キロを歩くのは決して楽ではないはずだ。

 

しかしウェインさんは

「車の通りは午後3時から6時がピークになるのでその時間帯に街に出るのさ。私は早く歩けないけど、車がスピードを落としてくれて、時には励ましの言葉をかけてくれるんだ」

と明かす。

妻への熱い想いと行動力が多くの人を動かし、ウェインさんの電話は700~800件のメッセージでいっぱいになった。

そして今月5日、ウェインさんは病院から1本の電話を受けた。

「適合する腎臓が見つかった。ドナーは亡くなった方である」という思いがけないものだった。

 

ウェインさんは

「嬉しかったね。何と言っていいかわからないけど、頭が真っ白になったよ」

と当時を振り返り、こう続けた。

「これで妻と第2の人生を歩むことができるよ。あと5年、一緒に楽しい思い出が作れればもう何も言うことはないよ。」

サンドウィッチマンがすっかり板についたウェインさんだが、約3週間続けたウォーキングをやめる予定はないそうだ。

 

ウェインさんの次なるゴールはというと…。

「これからもできるだけ歩き続けようと思っているんだ。今後、腎臓のドナーになってくれる人が増えるんじゃないかと思ってね。これは私の使命。もしかしたらこれで“腎臓革命”を起こせるかもしれないから。」

アイオワ州の大学病院「University of Iowa Hospitals and Clinics」によると、移植された腎臓は一生持つわけではないとのこと。

亡くなった人からの腎臓を移植する場合は生体腎移植よりも寿命は短く、平均して10~12年くらいになるそうだ。

「全米腎臓財団(National Kidney Foundation)」は、全米で臓器移植の待機者は2016年1月11日の時点で121,678人、そのうちの100,791人が腎臓移植のレシピエントであることを公表している。

毎月約3,000人が腎臓の移植待ちリストに加わり、毎日13人が移植を待ちながら亡くなっていくという。

 

 



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