アストロズ初世界一支えた日本人、岡克己さん

 

ヒューストン・アストロズの岡克己セラピスト(トレーナー)は10年目のシーズンを迎えようとしている。

 

08年に松井稼頭央をサポートするべく渡米。当時の英語力は「中1くらい」だったというが、施術は「マジックハンド」とチームメートから言われ、高い評価を受けた。

松井が帰国後も球団からオファーが届き、以来、チームを支え続けている。

 

意思疎通はボディーランゲージをフルに駆使。

英語を覚える代わりにチームに日本語を浸透させた。

チームメートは岡氏を見ると「ういっす!」と日本流のあいさつをする。

ただ、若手のカルロス・コレア内野手は「きょうはノーういっす」と首を振る。

岡氏は「アイツは使い方を間違えている。体調のことだと思ってるみたい」と笑い飛ばした。

 

その岡氏がサポートするアストロズが昨季、大躍進を遂げた。2011年から3年連続の100敗以上。

特にアメリカンリーグへ移った2013年は162試合で111敗、勝率・315という厳しいシーズンを過ごした。

そのチームが10年ぶりの地区シリーズ進出を果たした。

 

快進撃を振り返った。

4月後半から10連勝で一気に首位に躍り出た。

 

「最初はそのうち落ちるんちゃうか。と選手たちと冗談を言い合っていた。キャンプから若い有望な選手が多くて、もしかしたらいい勝負できるんちゃうかというのはあった。

ただ、勝っていくうちに順調過ぎて“こんなにうまくいくわけない”と思うようになっていた」

 

これはメジャーのドラフト制度によるところが大きい。

前年の下位チームからウエーバー順で指名できる。


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3年連続100敗のアストロズはその年のトップ選手を獲得できた。

コレアらが主力選手に成長したことで躍進への原動力になった。

 

秘める力は大きいが経験はない。

優勝争いの日々、シーズンが佳境を迎えるにつれて岡氏の日常にも変化が見られるようになった。

 

「自宅で朝、目が覚めると吐き気がした。ワンデー(ワイルドカード進出決定戦)前は全然、寝られなかった。毎日が負けたら終わり。自分がゲームに出るわけでもないのに、苦しかった。

これがプレッシャーなんだと思った。本当にしんどかった」

 

若い選手たちも同様にプレッシャーを感じていたという。

ただ、球場に来て、クラブハウスに入るといつものみんなになっていた。

「勝つぞ!みたいな雰囲気。若さでしょうね」

 

「ワールドシリーズ・第7戦、ドジャース1-5アストロズ」

(1日、ロサンゼルス)

岡さんがアストロズに加わったのは08年。当時は長く低迷期にあり、11年から13年は3年連続で100敗以上を記録した。

それだけに、球団初の頂点に「最高ですね。最高です。それだけです」と感無量の面持ちだった。

今季のチームを「(負けていても)必ず追いついてくれる…何と言うか、強かったですよね」とひと言。

マッサージなどで選手の体調管理を担当しているが、

「自己管理ができる選手が多いんで、そんなに大変じゃなかったです」

と笑顔だった。

 

 

 

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