アストロズ「予言されたワールドチャンピオン」まであと4勝

 

今から3年前、スポーツ・イラストレイテッド誌は「2017年のワールドシリーズ覇者」と銘打ち、メジャーデビューから3ヵ月足らずのジョージ・スプリンガー(ヒューストン・アストロズ)を表紙に据えた。

下はその当時の画像です。(2014年6月26日)

当時のアストロズは3年続けて100敗以上を喫しており、この号が出た2014年も70勝92敗と大きく負け越していた。

 

あと4勝すれば、この「予言」は的中する。

2年ぶりにポストシーズンへ進出したアストロズは、ボストン・レッドソックスとニューヨーク・ヤンキースを下し、12年ぶり2度目のワールドシリーズへ駒を進めた。

8月末にデトロイト・タイガースから獲得したジャスティン・バーランダーがいなければ、ここまで勝ち進むことはできなかったかもしれない。

バーランダーはディビジョン・シリーズに続き、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズでも好投し、シリーズMVPに選ばれた。

ただ、ロースターの25人中、スプリンガーをはじめとする10人は「予言」の時点ですでにアストロズにいた。

「予言」の直前にドラフトで指名され、直後に入団したデレク・フィッシャー(元NBAのデレク・フィッシャーとは無関係)を含めれば11人となる。

 

なぜスポイラは3年後には世界一と予想したのか?

それは同球団が計画的な再建途上にあったからに他ならない。

11年オフにGMに就任したジェフ・ルーノーは、同球団が単に低迷しているだけではなくマイナー組織に有望株が枯渇していることを問題視。

徹底的に主力選手を放出し、その交換相手に前途有望な若いマイナーリーガーを獲得して行った。

決して財力に恵まれている訳ではない同球団が継続的に優勝争いに加われるようにするには、FA権取得前の若手中心のチーム作りが必須と考えたのだ。

その結果、一時は「これがメジャーリーグか?」というほど一般には馴染みのない若い選手ばかりになり、予想通り低迷は続いた。

しかし、その方針は徐々に実を結び、15年にはワイルドカードでポストシーズンに進出した。

 

そして昨年のオフ。アストロズはついに勝負に出た。

ホゼ・アルトゥーベ、カルロス・コレア、ジョージ・スプリンガーらの看板の若いスターが溢れるロースターに、カルロス・ベルトラン、ブライアン・マッキャン、ジョシュ・レディックらのベテランを加えたのだ。

これでもはやアストロズは若い球団ではなくなった。

しかも、彼ら3人のうち、ベルトランは1年契約、マッキャンは契約残が18年までだ。

要するに今季に賭けたのだ。

そんな同球団を、開幕前には多くの専門メディアが地区優勝の最右翼に挙げた(プレーオフで勝ち進めるかどうかは、ある意味では運である)。

アストロズは計画通りに低迷し、その間計画通りに将来のスターを獲得・育成し、計画通りにワールドシリーズ進出を掴んだのだ。

絵にかいたような中期計画の実践、これは正にルーノーGMの手柄だ。

 

7月末のウェイバーを経由しないトレード期限前では、ヤンキースやドジャースなどが「これでもか」というほどの補強を進める中、お茶を濁す程度のトレードしか行わず、エースのダラス・カイケルあたりが失望の声を上げる一幕もあった。

しかし、ルーノーには彼なりの算段があったのだろう。

地区優勝は確実だった8月末にタイガースからかつてのMVP&サイ・ヤング同時受賞者のジャスティン・バーランダーを獲得した。

これは、プレーオフに進出するためではなく、そこで勝ち進むための補強だった。

そして、バーランダーなくしては最終戦までもつれたヤンキースとのア・リーグ・チャンピオンシップシリーズを制することはできなかったであろうことは言うまでもない。

 

ワールドシリーズは、10月24日(日本時間25日)にドジャー・スタジアムで幕を開ける。

ちなみに、アストロズのワールドシリーズ出場は2度目だが、ア・リーグ優勝は初めてだ。

アストロズは5年前までナ・リーグにいて、2005年に球団初のリーグ優勝を飾った。

 

その時のワールドシリーズは、0勝4敗でシカゴ・ホワイトソックスに敗れた。

 

果たして、スポーツ・イラストレイテッド誌の予想は的中するんでしょうか?

 

 



-いい話, スポーツ, 話題
-, , , , , , ,