池上彰の「わかりやすい」解説番組に潜む危険

 

池上氏はNHKの記者を経て、同局1994年からの「週間こどもニュース」の「お父さん」役でその名を広く巷に知らしめました。

その後フリーランスとなり、民放各局で政治・経済・国際と様々な分野を網羅する解説番組を担当し活躍していることはみなさんもご存知の通りです。

 

彼のスタンスは「難しいことをわかりやすく」であり、それは「こどもニュース」時代から変わっていません。

自分の立ち位置はあっても常に中立であろうとしているところに好感を持っています。

 

以前、番組内で「池上さんが一番正しい」と言ったお笑い芸人の陣内智則が、逆に「それが一番危険な考え」と池上氏にたしなめられたことは記憶に新しいところです。

しかしながら、いつの頃からか筆者は池上彰氏が解説する番組を見ながら、喉に魚の骨が引っかかったような、歯にほうれん草が引っかかったような、一抹の違和感を感じるようになりました。

 

そして先日、ようやくその違和感の正体がわかりました。

 

それは「わかりやすく」作られている池上氏の解説番組が人気を博し、持てはやされている、ということにあります。

これは逆に言えば、それは新聞・テレビを始めとする既存のマスメディアが「わかりにくい」と受け手に感じられていることを意味します。

 

かつては既存のマスメディアから得た情報の再確認として池上氏の番組を視聴して来ました。

ところが、最近は、情報の再確認をすっ飛ばして、池上氏の解説に頼り切ってしまっている自分を発見したのです。

 

これこそまさに池上氏の言う「一番危険な考え」ではないでしょうか。

 

「わかりやすく」噛み砕くということは、伝える側にとって実に重要なことです。

しかし、それと同時に伝達される側がその内容の奥を読み取る、つまりは行間を読もうとする姿勢もまた重要ではないのか。

わかりやすくするために誤謬が忍び込んでくることにも注意すべきではないのか。

目の高さを落として池上氏の番組を見る一方で、目の高さの上がった情報にも接することで相乗効果を生むことが必要ではないのか。

 

もちろん、池上氏からは何の悪意も感じられません。

しかし、彼のわかりやすさに身を委ね切っている人は、自戒せねばならないように思います。

 

「悪意なき愚民化」と言う評価が過言であることを祈念しています。

 

確かに池上さんいい人そうで「嘘」なんてつきそうにありませんが、やはり一人の人を信じ切ってしまうところにいろんな問題があるんだと思います。

自分自身で情報を分析する力を身につけたいものです。

 

 

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