死刑判決の被告 裁判官憤らせる

 

22日の判決で死刑を言い渡された今井隼人被告(25)は、「何もやっていません」と公判では一貫して起訴内容を否認。

 

 

殺害を自白した捜査段階からの変遷について追及されると、「この法廷では真実しか話していない」と応じた。

「知っているままを話して」という母親の呼び掛けにも、感情を表すことはなかった。

 

 

公判では、逮捕前後の取り調べの様子の録画映像が再生された。

映像で今井被告は、「間違っちゃいけないところから話す」と前置きした上で、殺害を自白し、転落の様子を身ぶり手ぶりを交えて再現。

 

動機については

「(被害者が)煩わしかった。いなくなれば対応する時間が減る」

とよどみなく話した。

 

 

逮捕の3日後には黙秘に転じたが、

「殺していないということではない。そこを曲げたらうそになってしまう」

と釈明し、「法廷で遺族に、生の言葉で真実を届けたい」と理由を述べていた。

 

 

一方、被告人質問では自白は真実ではないと話し、当時の心境を「取調室から解放されたかった」と説明した。

 

転落時の記憶の有無を問われると「質問の意味が分かりません」と繰り返し、検察官や裁判官をいら立たせる場面も。

 

最終意見陳述では用意した紙を読み上げ、「全く本当に何もやっていません」と裁判員1人ずつの顔を見ながら訴えた。

 

約2カ月間の公判では、開廷前に必ず刑務官にペンを要求し、メモを取りながら検察官や証人の話を聞いた。

 

証人尋問で母親が

「知っているままのことを話してほしい。これが最後のチャンス」

と声を詰まらせながら呼び掛けた際には、表情を変えないまま、母親の顔を食い入るように見詰めていた。

 

検察側は死刑を求刑し、弁護側は「当初していた自白は捜査員の圧力により誘導されたウソの自白」などと無罪を主張していた。

 

 

22日午後1時半から開かれた裁判で、横浜地裁は判決主文の言い渡しを後回しにし、理由から読み上げを始めた。

 

この中で、横浜地裁は、入居者3人の転落はいずれも今井被告による犯行だと認めた上で、争点となっていた捜査段階での自白については、

「実際に体験したからこそできる具体的かつ迫真的な供述だ」

 

と信用性を認めた。

 

その上で、

「被害者を物でも投げ捨てるかのように転落させた人間性のかけらもうかがえない冷酷な犯行」

だと厳しく指摘し、今井被告に検察側の求刑通り死刑判決を言い渡した。

 

 

判決後、裁判員として参加した男性2人が報道陣の取材に応じた。

 

裁判員の男性

「初めての経験なので、僕にとって何もかも難しかった」

 

裁判員の男性

「(Q:取り調べ時のDVDの再生について)取り調べの様子とか場の雰囲気とか、被告人が発言するところと比べてどうなのか、非常に参考になった」

 

また、死刑判決について、死亡した86歳の女性の長男は、

「亡くなった母へ良い報告ができると思います。犯人の口から真実が語られなくて残念」

とコメントした。

 

また、死亡した96歳の女性の遺族は

「母の無念が報われた判決ですが、遺族の悲しみは到底消えることはありません」

とコメントした。

 

 

 



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