「バイク王」の業績が急激に悪化した理由

 

「バイク王」と聞けば、誰もが印象的なあのテレビCMを思い浮かべるのではないでしょうか。

そんなメジャーな存在である同社の業績が急激に悪化しているようです。

 

「バイク王」が2期連続で営業赤字になった理由

「バイクを売るならゴー、バイク王~♪」のテレビCMでお馴染み「バイク王」を運営する中古バイク買い取り最大手、バイク王&カンパニーの業績が急激に悪化しています。

 

バイク王が1月10日に発表した2017年11月期決算は、営業損益が2億6,300万円の赤字(前年同期は5億300万円の赤字)でした。

2期連続での営業赤字は上場以来初となります。

 

 

売上高は前年比7.4%増の182億円、最終損益は4億100万円の黒字(前年同期は5億8,600万円の赤字)でした。

 

最終損益に関しては、駐車場事業の売却益約6億円が黒字化に大きく貢献しました。

逆に言うと、駐車場事業の売却益がなければ最終損益が赤字になっていた可能性が非常に高かったといえます。

 

 

売上高の増加は、販売台数が前期並みだった一方で、1台あたりの売上高が大きく上回ったことが寄与しました。

しかし、経費を賄えるほどの増加ではなかったため、営業赤字を解消するまでには至りませんでした。

 

 

17年11月期こそ増収となりましたが、競争の激化で近年は売上高が減少し続けています。

 

バイク事業において重要な役割を果たしているバイク買い取り専門店「バイク王」は09年8月には100店に達するほどでしたが、その後は伸び悩み、13年ごろからは縮小を余儀なくされています。

18年2月末には57店にまで減っています。

 

 

バイク王は1994年9月に創業しました。

当時、バイク利用者がバイクを売る場合、販売店に持ち込んで売却したり、個人売買で売却するのが一般的でしたが、販売店で売る場合、査定や買い取り価格が不透明で、多くの人が不満を抱いていました。

 

 

そういった不満にバイク王は着目。

査定額やオークションでの平均販売額をオープンにし、顧客からの信頼獲得を狙いました。

 

また、店舗で待たずに出張で買い取るようにし、攻めの営業を行いました。

そういったことが功を奏し、また、出張料がかからず書類手続きも代行してくれるといった利便性も相まってバイク王は大いに受けました。

 

 

このビジネスモデルで鍵となるのが宣伝広告です。

「バイク王」を認知してもらい、店舗に電話をかけてもらう必要があるためです。

そこでバイク王は膨大な宣伝広告費を注ぎ込み、テレビCMを放映するなどしてバイクをかき集めていきました。

近年の売上高に占める宣伝広告費の割合は15%程度にもなるほどです。

 

 

バイク王は買い取ったバイクの9割をオークション運営会社に持ち込み売却、現金化しています。

短期間で売上債権を回収することができるほか、在庫期間が短いため在庫コストを抑えることができます。

残りの1割は小売店での販売となります。

 

 

このようなビジネスモデルでバイク王は収益を上げ、成長してきました。

しかし、競合の台頭により次第に業績が低迷していきます。

 

 

競合の筆頭格は価格比較サイトです。

バイクを売りたい人は価格比較サイトを通じて複数社に一括で査定を依頼することができるようになったため、バイク王以外で販売する人が増えていきました。

 

そういった状況に危機感を覚えたのか、バイク王は過去に大きな問題を起こしています。

11年1月に朝日新聞の報道によってその問題が発覚しました。

 

 

2つの比較サイトでバイク王(当時の社名はアイケイコーポレーション)を含めた6つの業者が価格査定を行なっていたのですが、バイク王以外の5業者すべてがバイク王の関連会社で、あたかも6業者が買い取り競争をしているかのように装っていたのです。

 

その2つの比較サイトで査定を依頼しても、原則的に査定価格はバイク王からしか返ってこないようになっていました。

バイク王が査定を依頼されなかった場合だけ、他の業者名で査定していたといいます。

完全な自作自演です。

 

 

この自作自演問題のほか、買い取り価格の根拠の曖昧さ、買い取り価格の低さ、売却に迷ったり売却を断った際のしつこい勧誘に対して不満の声が広がっていったこともあり、次第にバイク王は敬遠されるようになりました。

 

そして業績が低迷するようになったのです。

 

 

そうしたなか、バイク王は経営を立て直すために、前述した通り小売り併設店を増やしていく方針を掲げました。

また、バイク事業に注力するため、06年3月から始めた駐車場事業を17年11月末に名古屋鉄道系の企業に売却しています。

 

 

バイク王は17年11月期に営業赤字になった理由として、小売り併設店の出店が計画に対し未達だったことを挙げています。

買い取り専門店を小売り併設店に転換を進めたため、期末の小売り併設店店舗数は期初より28店多い46店になりましたが、それでもまだまだ足りない状況です。

 

 

バイク王としては営業赤字を解消するために小売り併設店を一気に広げたいところです。

しかし、店舗を建設するには膨大な資金が必要になります。

そこで、駐車場事業の売却益を充てることで乗り切る考えがありそうです。

 

 

16年11月期からは、キャッチフレーズを「バイクを売るならバイク王」から「バイクのことならバイク王」に変更し、行なっている事業が買い取りだけではないことをキャッチフレーズの面でもアピールするようにしています。

 

今のバイク王にとって、小売り併設店の拡充は必要不可欠でしょう。

ただ、それだけでは不十分です。

 

自作自演問題や査定の不透明さなどから、人々の同社を見る目はまだまだ厳しいものがあります。

 

それを払拭していく必要があるといえるでしょう。

 

 

 



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