イチロー・マリナーズ復帰会見「全てをこのチームにささげたい」

 

【ピオリア(米アリゾナ州)=三室学】米大リーグ、マリナーズへの復帰が決まったイチロー外野手(44)が7日(日本時間8日)、米アリゾナ州ピオリアで記者会見し、

「とてもハッピー。僕が培ってきた全てをこのチームにささげたい」

と抱負を語った。

 

 

イチロー選手は2015年からプレーしていたマーリンズから、昨季終了後にフリーエージェント(FA)となっていた。

 

記者会見に先立ち、マリナーズが同日、イチロー外野手との契約に合意したと発表していた。

 

イチロー選手は01年にオリックスからマリナーズ入りし、04年に大リーグ記録のシーズン262安打を放つなど、12年途中にヤンキースにトレードで移籍するまで11年半に渡ってマリナーズで活躍した。

「いつかまたこのユニホームを着たいと思っていた。飛行機からシアトルの街並みや(本拠地の)セーフコ・フィールドを見るたび、近いのに遠く感じていた」

と、チームへの愛着を口にした。

 

昨秋にFAとなってからの約4か月については、

「泰然としていた。メジャーでやるという気持ちのみだった」

と振り返り、マリナーズと同じア・リーグ西地区のエンゼルスに入団した大谷翔平選手(23)との対戦については、

「誰もが世界一の才能だと言っている選手との対戦は、野球の醍醐味。できれば僕がピッチャーで対戦したい」

と笑わせた。

 

 

岩隈久志投手(36)らチームメートは一様に歓迎モードで、球団は“イチロー仕様”のロッカーを用意するなど万全の受け入れ態勢を整備。

幹部も本拠地のシアトルからキャンプ地入りするなど、改めてマリナーズにおけるイチローの存在の大きさが浮き彫りとなった。

 

レジェンドの帰還にキャンプ地、ピオリアは熱気に包まれた。

 

「そうか! イチローだ!! イチローが帰って来るからか!!」

 

集まった約40人の日本メディアを見て叫んだのは、2009年から8年連続2桁勝利を挙げたエース、フェリックス・ヘルナンデス投手(31)だ。

 

イチローとは05年からともにプレーし

「彼は、まだまだできる。だから、ここにやってくる。そこに疑いはない」

とうなずいた。

 

「イーチ! イーチ!!」と連呼したのはマーリンズ時代の同僚、ディー・ゴードン外野手(29)。

一昨季阪神でプレーしたマット・ヘイグ内野手(32)は日本語を交え

「『イチローセンパイ』って呼べばいいのか」

と笑い、頭が膝につくほど深いお辞儀を披露し、対面に備えた。

 

 

昨年9月に右肩を手術し、マイナー契約でリハビリ中の岩隈久志投手(36)も、騒ぎの大きさに

「すごいッスねえ」

と感心。

 

「(加入は)全く知らなかった。楽しみ」

と感慨にふけった。

 

 

そんな様子を、大リーグ公式サイトも「イチローの到着にマリナーズが沸く」の見出しで伝えた。

 

当初予定された6日(日本時間7日)の入団発表、記者会見は7日(同8日)以降に持ち越されたが、主役の登場を前に受け入れ態勢も整えられた。

球団施設内のロッカーにイチローの区画が用意され、背番号「51」のユニホームがつるされた。

ロッカー前には「ICHIRO SUZUKI」と書かれた野球用具などを詰めた段ボール箱が山積みになった。

 

 

地元紙シアトル・タイムズは“発表延期”を、40人のメジャー登録枠を空ける手続きに時間を要しているためと伝えた。

ただ、関係者によると、理由は他にもあった。

 

 

6日(同7日)にピオリアでナイターのオープン戦が行われたため、同戦と会見や準備が重なることを避けたというのだ。

メジャー最低保障額、年俸54万5000ドル(約5780万円)プラス出来高での1年契約を結ぶとみられ“査定”こそシビア。

ただ、最終段階まで万全を期す球団の姿勢に、イチローの存在の大きさが表れていた。

 

 

球団幹部も勢ぞろいする。

ジョン・スタントンCEO(最高経営責任者、62)、ケビン・マザー球団社長(55)が本拠地シアトルから航空機でキャンプ地入り。メジャー通算3000安打を達成し、将来の野球殿堂入りが確実なレジェンドを迎え入れる。

 

 

1年目の01年に首位打者となり、ア・リーグ最優秀選手と新人王に輝くなど同球団で数々の栄光を手にしたイチローだが、12年に38歳でマリナーズからヤンキースに移籍した際には、不振や突出した高年俸などから地元メディアに「下り坂の選手」などと揶揄(やゆ)された。

それから6年。

 

44歳となっても挑戦を続ける姿に、誰もが敬意と愛情を抱く。

 

 

関係者によると、5日(同6日)までに米国入りし、身体検査(メディカルチェック)も終えた。

高い熱量の中、伝説が再び始まる。

 

 

ヤンキース、マーリンズでイチローとプレーしたマリナーズのデービッド・フェルプス投手(31)

「日々、彼を見ることができる。彼がチームにもたらすものは、とてつもなく大きい。自分の子供にも話を聞かせてやりたい」

 

イチローとプレー経験があるマリナーズのカイル・シーガー内野手(30)

「史上最高のマリナー(マ軍の選手)の一人が来る。思い出すのは、誰よりハードな練習をしていたことだ」

 

 

 

イチロー・メジャーでの入団記者会見

★マリナーズ(2000年11月19日) 

京都市内の任天堂本社(当時の筆頭株主)でユニホームを初めて着るとクルっと一回転。

子供のように喜び「自信がなければこの場にいない」と抱負を語った。

 

 

★ヤンキース(12年7月24日) 

ヤ軍戦の約3時間前にマリナーズから電撃トレード。

セーフコ・フィールドで会見し「11年半、ありがとうございました」。

その後ヤ軍ベンチに移り、古巣相手の試合に出場した。

 

 

★マーリンズ(15年1月29日)

東京・千代田区のホテルで球団社長、編成本部長、GMが来日し異例の記者会見。

「やたら熱い思いが伝わってきて、この思いに応えたい」

と意気込んだ。

(日付は日本時間)

 

 



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