村田修一・大逆転ヤクルト入りも

 

巨人を自由契約となり、現役続行へ新天地を模索してきた村田修一内野手(37)が4日、BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスへの入団が決定的となった。

 

くしくもこの日はソフトバンクを自由契約となり、中日にテスト入団を決めた松坂大輔投手(37)がオープン戦で初登板。

 

いわゆる「松坂世代」の同期で明暗が分かれた格好となってしまったが、どこでそうなってしまったのか。

 

12球団のキャンプを訪問し「どうして村田を獲らないのか?」と問いかけてきた本紙評論家の得津高宏氏に対し、各球団の答えは…。

 

 

男・村田が大きな決断を下した。

 

複数の関係者の話を総合すると、村田は独立リーグ入りの意思を固め、今週中にも入団会見が開かれる見通しとなった。

 

若返りを図る巨人の球団方針の下、村田の自由契約が発表されたのは昨年10月13日のこと。

昨季の出場は118試合で打率2割6分2厘、14本塁打、58打点。堅実な守備に加え、シーズンをフルに戦える体力…。

大きな故障もない村田には当初、他球団からオファーが届くのは時間の問題と見られた。

 

 

ところが、村田本人や周辺の同僚たちらが可能な限り働きかけても色良い返事は聞かれず、年明けからは「いつ呼ばれてもいいように準備をしておく」と、神奈川・厚木市内のグラウンドで自主トレを開始。

 

それでもNPB球団からのオファーはなく、村田は各球団のキャンプが終わる2月末をひとつの節目として断を下した。

 

 

そんな村田について

「村田は間違いなく戦力になる。新しい外国人選手を連れてくるよりよっぽど計算できますよ。最低でも2割5分、15本塁打は期待できる。どうしてどこも手を挙げないのか、キャンプで聞いてきますよ」

と宮崎、沖縄で行われた12球団のキャンプを訪問してきたのが得津氏だ。

 

 

そんな疑問を現地で監督、編成担当者らにぶつけたところ、返ってきた答えは…。

 

「どこも『ウチはありません』という答えばかりで『村田はあまりいい噂を聞かないから』という声もありました。どうやら、不満を漏らしたり球団批判をしたりするイメージが独り歩きしているようで、現場というより球団の人間に良く思われていない印象を受けました。

ですが、実際の村田は私がグラウンドに行けば、きちんとあいさつもしてくれるし、その際には必ずサングラスを外すなど、礼儀もできている男です。私が『村田はそんな男じゃないよ』と言っても、あんまりいい反応はありませんでしたが」

 

 

ただ、その中でも気になるコメントを発したのが、ヤクルトの小川監督だったという。

 

「チーム編成を考えて一番獲ってもおかしくなさそうなのがヤクルト、ロッテです。ロッテの編成担当者は『ウチはないでしょうね。とくに新しい監督になったチームはないんじゃないですか。今のところはありません』でしたが、ヤクルトの小川監督は『ウチは今のところは獲る予定はありません』としながら、こうも言っていました。

『ただ、シーズンに入って若手選手が打てなくなったらどうなるか分かりません』と…」

 

 

もちろん村田もNPB復帰をあきらめたわけではなく、これまでに

「7月末の支配下選手登録の期限まで野球をやってみて、NPBのお誘いがなければ辞めるかも」

と語るなど、ギリギリまで可能性を探るつもり。

 

 

今回、栃木入りを決めたのもNPB球団からオファーがあれば、ただちに移籍できることなどの条件が合致したためと見られ、7月末までに各球団の“事情”が変われば…。

 

今後の動向が注目される。

 

過去、NPBから独立リーグを経て再びUターンを果たした野手はほとんどいない。

攻守の両面で輝かしい経歴を持つ球界屈指の名選手には今後もイバラの道が待ち受けている。
 

2011年オフに横浜ベイスターズからFAで巨人へ移籍。

以来、ジャイアンツの主軸として活躍し続け、2014年からは移籍加入選手としてチーム初となる選手会長にも任命されるなど同僚からの信頼も厚かった。

しかしながら昨季終了後に球団側から突然、チームの若返りを目指すことを理由に自由契約を通告された。
 

当初は千葉ロッテマーリンズや東京ヤクルトスワローズ、東北楽天ゴールデンイーグルスなど複数球団が獲得に強い興味を示していると各メディアに報じられ、争奪戦の様相を呈したものの、フタを開けてみればどこからも声はかからずじまい。
 

これには戦力外を通告したはずの巨人の関係者たちも驚きを隠せず、その一部からは

「他チームの動向を見極めず、あれだけの功労者をチーム方針だからとバッサリ切り捨ててしまうなんていかがなものか」

と村田に同情論まで飛び出す始末である。

 

来季もそれなりの活躍が見込めるプレーヤーが、NPB球団から一切のオファーが届かないのは確かに異常だ。

NPB球団が村田を“敬遠”する理由とは

そもそも、なぜ村田はここまで他球団から“敬遠”されてしまっているのか。
ちなみに2017年の年俸は推定で2億2000万円。

 

高年俸だが、条件については本人がこだわらない姿勢を示していることからネックとなっているとは考えづらい。

各球団から漏れ伝わる話を総合すると、村田獲得に尻込みする最大の理由はどうも

「誤解されている印象」

のようだ。
 

かつての横浜時代、村田はヒゲを蓄え、髪も茶色に染め上げていた。

 

加えて試合中も金色のネックレスを身に付け、ベンチで後列にどっかりと腕組みしながら座る姿が定番となっていた。

複数の若手を従えてオフには自主トレを行い、シーズン中は夜の街へ繰り出すこともあったと聞く。
 

これが過剰な形で一部メディアによって報道され、いつしか「村田組」などと呼ばれるようになり、この頃の村田本人のイメージを悪化させる要因となっていたのは否めない。
ただし実際のところ、当時の村田には若干ながら“お山の大将”を気取っている感もあっただろう。
 

だが、そういった若気の至りも2008年の北京五輪、さらに2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表としてプレーするようになると「フォア・ザ・チーム」の意識が一層高まることによって徐々に消え去っていく。

 

そして紳士球団の巨人へ移籍を果たしてからは、個性の強い選手たちをまとめ上げる求心力まで兼ね備えるようになった。

 

村田にとっての不幸はマギーの加入

ところが、村田にとって不幸だったのは昨季、ケーシー・マギー内野手が加入したことだ。
ポジションがともに三塁でかぶってしまうマギーに弾き飛ばされる格好で2017年シーズンは開幕からしばらくの間、ベンチスタートを強いられた。
これは一部のメディアによって格好の火種として取り上げられ、さも「村田=不満分子」のように書き立てられたのは記憶に新しいところ。

 

そしてテレビカメラ、あるいは写真カメラマンによって集中的に撮られるベンチの村田は本人がそう思っているか否かは別にして面白おかしく「ムッとしているように見える姿」ばかりがクローズアップされ、まるで横浜時代の“お山の大将”が再び顔をのぞかせ始めたかのようなイメージを世間に与える流れになってしまった。
 

こうした一連の報道が村田に対する誤った印象を生み出す大きな要因につながったのではないかと考える。
残念なことにNPB球団関係者の中からは

「村田は確かに高い能力を持っているが我が強く、チームプレーが出来ない」

などといった的外れの悪評もチラホラと聞こえてくる。
 

だが、村田はそのような男ではない。
もし最悪のシナリオとしてこのままNPB復帰が叶わなかったら、彼は勝手に植え付けられた大きな誤解によって志半ばでフェードアウトすることになってしまう。

そんな悲劇の主人公にはなってほしくない。

 

 

横浜時代、巨人時代と長年、村田番を務めてきたスポーツ報知の小谷真弥記者(現MLB担当)が、

「男・村田」の素顔をつづった。

 

昨季まで1軍でバリバリ活躍していた男・村田の新天地が決まらず、昨年末から世間には妙なうわさが飛び交った。

「ここまでオファーがないのは、表に出ない問題があるんじゃない?」。

担当し続けた村田の尊厳を守るためにも断言したい。

 

そんな問題など全くない。

 

むしろ多くの人に愛されるアニキだ。

 

横浜時代は筒香、藤田(現楽天)ら、巨人時代は坂本勇、長野ら多くのチーム関係者を食事に連れ出した。

席上では助言より、愚痴聞き役のときが多かった。

いかつい風貌で多くの後輩を引き連れるさまから、「村田軍団」と呼ばれたことがあったが、そんな物々しさはない。

 

巨人退団後、ある主力は「なんで修さんが…」と真剣に泣いていた。

 

自主トレ中は古巣だけでなく、東福岡高、日大の関係者が手伝いに訪れた。

 

練習場を探り当てたファンまで球拾いに参戦。

そして最後に「ありがとうございます」と頭を下げる。こんなキャラはなかなかいない。

 

言葉足らずで、ハッキリ物を言う性格が物議を醸したこともある。

 

それでも、常に本音でファンに現場のリアルを伝える姿は、「チームのため…」ときれいごとばかりを並べる選手よりも、よっぽどスター性にあふれたプロ野球選手に思える。

 

国内球団は若手育成の方針から、手を伸ばさなかった。

理由はそれだけだ。

 

故障者が出るなどの理由でシーズン中、村田獲得に動く可能性もある。

 

プロ野球の移籍期限は7月末。

 

その日まで、活躍の場に飢えた男が輝く機会は訪れると信じる。

 

 

 



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