伊調馨への冷遇は周知の事実「なぜ今“文春砲”なのか」

 

五輪4連覇、国民栄誉賞受賞の絶対女王が窮地に陥っている。女子レスリングの伊調馨(33)=ALSOK=が、日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)からパワハラを受け、2020年東京五輪へ向けた練習もできないとして、関係者が内閣府公益認定等委員会に告発状を送ったというのだ。

 

 

伊調が冷遇されていたことは、レスリング界では以前から周知の事実だった。

 

だが、1月の告発状に続き、3月1日発売の週刊文春で伊調本人が栄氏の嫌がらせについて語った衝撃は大きい。

パワハラ問題が表沙汰になった背景について、関係者は2年後の東京五輪の存在を指摘する。

 

 

文春の記事で伊調は、北京五輪後に練習拠点を東京に移して以降、栄氏からの嫌がらせが始まったかを尋ねられ、「そうですね、はい」と答えた。

 

東京五輪に向けた練習場所も

「ないことはないですけど。自分が行く先、行く先、栄監督の目があるので、なかなか(難しい)」

と話した。

 

 

レスリング関係者は栄氏について

「レスリング界では傍流だった。今の権力や我田引水のやり方を快く思わない人もいる。いろいろと批判もあるが、『すべてはメダルのためだ』と言われれば何も言えない。リオ五輪を見ても、有無を言わせぬ結果(金4、銀1)を出してきたのは事実だから」

と明かす。

 

 

栄氏の反対勢力が女性や金銭絡みの問題を探り回ったこともあったが、“栄下ろし”が表面化することはなかった。

 

 

だが、「伊調への冷遇はだいぶ前から周知の事実」だといい、

「これまで何度も告発するタイミングはあったはず。なぜ今、“文春砲”なのか分からない」

と関係者は首をかしげる。

 

「考えられるとすれば、伊調が本気で東京五輪での5連覇を目標に定めたから。五輪から逆算すれば6月の明治杯か、12月の天皇杯で実戦復帰しないと間に合わない。このままの練習環境ではそれも厳しいという危機感の表れではないか」

 

 

幼少期に伊調を指導した「八戸クラブ」の沢内和興代表は、東京五輪について

「もし出る気であれば、私だったらもう練習は始めている。伊調本人は今年の1月1日から会社(ALSOK)の広報担当を始めてがんばっていると言ってました」

と話している。

 

 

■伊調馨(いちょう・かおり) 

青森県八戸市出身。愛知・中京女大付高(現至学館高)、中京女大(現至学館大)を経てALSOK。2004年アテネ、08年北京、12年ロンドン、16年のリオデジャネイロと五輪4連覇。16年10月に国民栄誉賞を受賞した。

 

■栄和人(さかえ・かずひと) 

鹿児島県出身。日本レスリング協会強化本部長。日体大卒。1988年ソウル五輪出場。96年中京女大(現・至学館大)付高教員から2003年に同大レスリング部監督。吉田沙保里ら6人の金メダリストを育てた。

 

 



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