藤井に敗れた広瀬八段、ファンの心をつかんだトーク力

 

 

 

 

中学生棋士の藤井聡太六段(15)が17日、朝日杯将棋オープン戦の準決勝で羽生善治竜王(47)、決勝で広瀬章人八段(31)を破り、中学生として史上初めて棋戦優勝を果たした。

 

新聞社名がそのまま大会名になっているが、スポニチ本紙を含む多くの全国メディアが取材に訪れた。

 

将棋の棋戦の取材は1995~96年の羽生の7冠フィーバー当時を除くと、将棋専門メディアのほかは主催新聞社のみというのが相場だった。

だが周知の通り、ここ1、2年ですっかり状況が変わっている。

 

将棋界を超える注目を集めた羽生―藤井戦が大きなホールの壇上で指された一方で、もう一方の準決勝、久保利明王将(42)―広瀬戦の会場はやや小ぶりの部屋。

実際、観客数はかなりの差がついていた。

こちらも例年なら十分お客さんを呼べる対局なのだが、“歴史的対決”の話題性にはさすがにかなわない状況だった。

 

そのギャップをもっとも感じたのは準決勝に勝ち、決勝に進んだ広瀬だろう。

 

順位戦A級で堂々と戦うトップ棋士。

この大会の本戦では菅井竜也王位(25)、渡辺明棋王(33)、久保と3人のタイトル保持者を破っての決勝進出は圧巻だった。



早大進学と同時にプロとなり、在学時の2010年には大学生として史上初めて王位のタイトルを獲得。

大きな話題となった。

 

公開で行われた決勝の感想戦では敗戦の直後にも関わらず、心境を隠さず明かして何度もファンを喜ばせた。

 

「(対局中、解説担当の)佐藤名人に代わってほしかった」

「藤井さんを応援している皆さんと、ひとりぼっちの私」

と自虐気味に話し爆笑を誘う。

 

「多くの棋士がいつ藤井さんと当たるかという心境かと思うんですが、こんな大役を担う感じになるとは思わなかった。私には荷が重かったかなというのが正直なところ」

とはほぼ本音だろう。

 

普段から長時間の対局中継解説やイベントで鍛えられているプロ棋士のトーク力は、やはりダテではない。

この日は結果として名脇役を演じることになった広瀬だが、同時にその実力とキャラクターで多くのファンの心をガッチリつかんだ。

 

いつか8年前のように、いやそれ以上のスポットライトを浴びるときが来るだろう。

 

 

 

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