【MLB】カブスのダルビッシュ契約合意に「ハイリスク、ハイリターン」

 

ドジャースからフリーエージェント(FA)となっていたダルビッシュ有投手がカブスと契約合意に達したと米メディアが一斉に報じた。

 

6年総額1億2600万ドル(約137億円)で出来高を含めると最大で1億5000万ドル(約163億2000万円)に達する可能性もあるという。

 

2016年のワールドシリーズ王者のカブスにとって先発ローテーションは強化ポイントとして挙げられており、大きな補強となったが、一部で「ハイリスク、ハイリターン」の声が上がっている。

 

「カブスの優勝への挑戦のために、なぜユウ・ダルビッシュの契約は究極の“危険への報酬”となるのか」。

 

こう特集したのは米テレビ局CBSスポーツ電子版だ。

 

記事では2015年サイ・ヤング賞右腕ジェイク・アリエッタがFAとなり、ジョン・ラッキー投手も引退したことに言及。また、ロッキーズからFAとなっていた右腕タイラー・チャットウッドと3年契約を結んだことを紹介した上で、新たに合意に達したダルビッシュの才能を評価。

 

「いつしか引退する時、ダルビッシュはベースボール史上最も偉大な天才の1人として野球史に残るだろう。6フィート5(約196センチ)、力強く、運動能力が高く、火の玉のようなファストボールの速度に、魅惑的な変化球を揃え、東北高校時代からすでにスーパースターだった」

とレポートした。

 

 

ダルビッシュ獲得の“リスク要因”は…

一方で2017年シーズンにダルビッシュの防御率がキャリアワーストに近い3.86にまで悪化したことに言及。

 

主な原因として31試合先発でキャリアワーストの27被弾を喫したことを挙げた。

また、依然としてメジャートップクラスの奪三振率を誇ることに触れつつも、昨季のワールドシリーズでアストロズ相手に2度乱調に終わっていることから大舞台での勝負強さを疑問視。

 

「昨秋に急浮上した有名な物語では、ダルビッシュはプレッシャーに晒された際にあまりに敏感になってしまう精神の持ち主として描かれてしまった」

と指摘しており、その点をリスク要因の一つとして見ているようだ。

 

ただ記事では、カブスのダルビッシュ獲得は同地区ライバルのブルワーズの補強を食い止めた効果があったことにも触れている。

 

ダルビッシュは2015年の開幕前にトミー・ジョン手術を受けたが、その後は順調な回復を見せ、昨季は3年ぶりの2桁10勝をマーク。

投球回も186回2/3と200イニングに迫り、2013年以来自身3度目の200奪三振も記録した。

また、アストロズとのワールドシリーズでは投球フォームの癖を見抜かれていたという現地報道もあった。

今オフの争奪戦は依然として実力が高評価されている証拠であり、複数の米メディアからはダルビッシュ獲得によりカブスを再評価する声も上がっている。

 

 

2年前にワールドシリーズを制しているカブスは現在3年連続でプレーオフに進出中。

ダルビッシュにとっても汚名返上の機会を手にする大きなチャンスが巡ってくるかもしれない。

 

6年契約というメガディールは日本人右腕、そして2年ぶりの栄冠を目指す球団にとって吉と出るだろうか。

 

 

「新たな犠牲者となった」

現在は身体検査の結果待ちとされており、近日中に正式発表される見通し。

現地ではヨエニス・セスペデス外野手が2016年11月にメッツと4年1億1000万ドル(約120億円)で契約して以来の1億ドル(約108億円)超えとなったことが伝えられ、カブスのFA契約市場では4例目の大台となったことも紹介された。

 



昨夏に31歳を迎えたダルビッシュには長期契約を懸念する見方も一部で出ていたが、現時点で37歳のシーズンまで契約を結ぶ結果にもなった。

しかし、それでも米メディアの中には今回の契約を「割安」とする報道も出ている。

 

今回の契約合意を受け、

「カブスがユウ・ダルビッシュを割引価格で獲得し、厄介なオフシーズンのトレンドは続く」

と報じたのは、米スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」電子版だ。

 

特集では今オフのFA市場が歴史的な停滞を見せていることに触れ、

「この動きにより、獲得可能な最高の投手が信じられないほど遅い時期にFA市場から姿を消した」

とレポート。

 

この合意によって、必ずしもFA市場が動きが加速するとは言い切れないことを伝えた。

 

 

ドジャース、ヤンキースの動きに「苛立たしい」

そしてダルビッシュについては多彩な変化球、高い奪三振率を誇ることを踏まえて「今冬の戦利品」と紹介。

 

昨季見られた一時期の不調や年齢面の懸念点を指摘しつつも、

「毎冬、このことはすべてのFA選手に当てはまる。よって、なぜ最高の投手とオフシーズン最終週までどこも契約をしなかったのかという説明にはならない。そして、なぜダルビッシュがシカゴから6年1億2600万ドルの契約しか得ることができなかったのかという説明にもならない」

とレポートした。

 

記事では過去、トップクラスの先発投手が手にした大型契約にも言及。

 

デビッド・プライスがレッドソックスと7年2億1700万ドル(約234億円)、マックス・シャーザーがナショナルズと7年2億1000万ドル(約227億円)、ザック・グリンキーがダイヤモンドバックスと6年2億600万ドル(約222億円)の大型契約を結んだことを紹介しつつ、同投手らよりレベルが落ちる投手でも年平均でダルビッシュより高年俸を手にしている選手がいることも指摘した。

 

その上で

「その素晴らしさにも関わらず、ダルビッシュはオフシーズンにおいて新たな犠牲者となった」

と伝え、通常なら金額をつり上げるはずのヤンキースやドジャースが投資を節約したことを要因の一つとして挙げた。

 

これを踏まえ、同誌は

「強力な入札者がおらず、カブスはチャンスを待ち、割引価格でダルビッシュを獲得することができた。ドジャースやヤンキースのような大金持ち球団がフィールド上のことよりも贅沢税を優先させるのは苛立たしい。また、ツインズやブルワーズがエース候補を獲得しないのは理解に苦しむ」

と手厳しく論じている。

 

 

ダルビッシュの契約が果たして「割安」なのか。

 

最終的な評価は今季以降の活躍にも左右されるだろう。

 

以前からサイ・ヤング賞候補に挙げられている右腕は昨年のポストシーズンの経験によってワールドシリーズへの意気込みも見せている。

メジャー3球団目となる新天地で存在感を放ち、改めて自身の価値を証明したいところだ。

 

 

 

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