北朝鮮で餓死者続出か・・・五輪や「どんちゃん騒ぎ」の陰で

 

北朝鮮では、連日の厳しい寒さと食糧不足で餓死する人が相次いでいると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

 

北朝鮮の平昌冬季五輪への参加を受けて、朝鮮半島情勢は(先行きは不透明ながら)緊張緩和に向かっているように見えるが、そんなことはまったく関係のない厳しい現実が存在するのだ。

 

慈江道(チャガンド)の情報筋によると、中朝国境沿いにあるの満浦(マンポ)市のある協同農場で相次いで2件の変死事件が起きた。

市民の間では、1990年代末の大飢饉「苦難の行軍」が再来ではないかと不安が広がっている。

 

保安員(警察官)と農場管理者、人民班長(町内会長)は、餓死者の家を確認した結果、食べ物が完全に底をついていたことから、餓死したものと判断したようだ。

餓死者の中には、一生を農場で働き続け模範農場員に選ばれた夫婦と、学校の卒業を控えていた娘がいたことから、隣人たちは心を痛めている。

 

情報筋は、現場を見た保安員の話として

「ひどく飢えていたようで、遺体は骨と皮しか残っていなかった。目を背けるほどの状態だった」

と伝えた。

北朝鮮の食糧事情はかつてに比べ、大きく改善した。しかし、同時になし崩し的な資本主義化が進行したことで、貧富の格差が拡大。

いくら働いても、市場で食べ物を買うことのできない層が出現しているのである。

 

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋も、清津(チョンジン)で餓死者が発生し、市民の間に不安が広がっていると伝えた。

 

市内を流れる輸城川(スソンチョン)の川原ではこの冬、遺体がいくつも発見された。

家も食べ物もない老人や子ども、つまりコチェビは川原の掘っ立て小屋に住んでいるが、氷点下20度を下回る寒波とひもじさで、餓死または凍死した模様だ。

餓死事件の相次ぐ発生で市民の間に不安が広がっているが、保安署(警察署)や医療機関は、光明星節(2月16日の故金正日総書記の生誕記念日)を控え、「餓死事件について一切話すな」と箝口令を敷くだけで、これといった対策を立てようとはしないという。

 

数十万とも数百万とも言われる餓死者が発生した苦難の行軍から20年、北朝鮮の食糧状況は大幅に改善した。

市場に行けばいくらでも食糧は手に入る。

しかし、農民の多くは市場から遠くはなれたところに住んでいる上に、現金収入が少ないため、自分が担当する田畑での収穫の一部を受け取って生計を維持している。

だが、このシステムは大きな問題を抱えている。

協同農場の幹部は、国から農業生産のノルマを課せられる。

台風が来ようが日照りになろうが、ノルマを守れなければ処罰されるため、収穫が少なくても水増し報告する。

国はその数字に基づいて翌年のノルマを策定する。

ウソが年々積もり積もって、現実とはかけ離れた数字がひとり歩きすることになる。

その数字に基づいて食糧徴発を行えば、農場はたちまち飢饉に陥る。

例えば2012年、穀倉地帯の黄海南道(ファンヘナムド)で数万単位の餓死者が発生した。

 

当局が、金正恩氏の政権就任を祝う「どんちゃん騒ぎ」用の食糧を徴発したことで、極度の食糧不足に陥ったためだ。

飢えた人々が家族の亡骸に手を伸ばす「人肉事件」の悲劇すら伝えられた。

 

また、黄海北道(ファンヘブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、当局は2015年にも収穫したばかりのコメを「軍糧米」「首都米」(平壌に特別配給するコメ)と称してほとんどを徴発してしまったため、深刻な食糧不足を発生させている。

 

 



-事件・事故, 海外, 話題
-, ,