コインチェック 儲けのカラクリ

 

約580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、金融庁から業務改善命令を受けた仮想通貨取引所大手のコインチェック。

 

被害額のうち約460億円を「現預金から日本円で返金する」と豪語する裏には儲けのカラクリがあった。

一方、顧客資産のずさんな管理が露呈したことで金融庁への登録はさらに遠のき、最悪の場合、廃業となる恐れもある。

 

金融庁は29日、コインチェックに業務改善命令を出した。

警視庁もコインチェック関係者から被害の経緯について話を聞くなど捜査を始めた。

 

当局が素早い動きを見せるなか、投資家にとって最大の問題は、コインチェックが資産をちゃんと返金できるのかだ。

 

同社はビットコイン取引所としての手数料はゼロだが、仮想通貨の販売所としての機能もあり、スプレッドと呼ばれる売値と買値の差が事実上の手数料となっている。

 

今年1月にBSで放送された仮想通貨を特集した番組で、大塚雄介取締役は、コインチェックの月間取引高が「4兆円」と認めた。

情報サイトのまとめでは、ビットコインだけで2017年の取引高は8兆円にのぼっている。

 

さらに同社が力を入れていたのがネムなどビットコイン以外の仮想通貨だ。

ビットコインよりも高いスプレッドで高収益が期待できるためだ。

また、値上がり前に低価格で仕入れていた仮想通貨を顧客に販売する際の利益も大きいとみられる。



 

スプレッドを仮に平均3%と見積もった場合、単純計算で直近は月1200億円程度の収益があってもおかしくない。

 

コインチェック側がネムの保有者に返金するとしている約460億円の原資について、金融庁は「調査中だ」と説明。

顧客資産と自己資産が明確に分別管理されていたのかも注目されそうだ。

 

金融庁は仮想通貨の取引業者の登録制を昨年4月から導入し、コインチェックは9月に登録を申請した。

通常は審査は約2カ月で終了するが、昨年末の追加登録業者発表の際にも同社は含まれず未登録のままだ。

 

制度導入前から事業を行っていたため、「みなし業者」として営業を継続しているという状態が続いている。

 

金融庁は事実関係の究明や再発防止策の策定などについて2月13日までに報告するよう求めているが、改善内容が不十分と判断された場合、登録を認められず廃業に追い込まれる恐れもある。

 

ちなみに2月13日は同社のCMに出演していたタレント、出川哲朗の54回目の誕生日だ。

 

 

スプレッド

 スプレッド (Spread) は、英語で「広げる」または「延ばす」という意味の動詞。
または広がること、広がりという意味の名詞。
  • スプレッド - 金融用語で、異なる市場や限月での金利差や価格差のこと。たとえば、運用金利(貸出金利)と資金調達金利(預金金利)の差やTTS(対顧客電信売相場)とTTB(対顧客電信買相場)の差をスプレッドと呼ぶ。
    • スプレッド取引 - 金融取引において、異なる市場や限月での金利差や価格差の差額を得る取引のこと。単に「スプレッド」とも呼ばれることもある。

 

 

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